『宇宙戦艦ヤマト』とラジオの思い出<第8回> |
この時期放送されていたラジオ番組で、一般的な知名度は低いものの重要度はかなり高いのが、文化放送から放送されていた『宇宙戦艦ヤマトの乗組員たち』。 何とパーソナリティーを西崎義展が務めていたという、週一のレギュラー番組なのである。 日曜深夜に放送していた30分弱の番組で、野球中継が延長されると休止されることもしばしば。 データが残っていないのではっきりしたことは分からないが、自分が初めて聴いたのがおそらく78年の6月頃だっただろうか。そこから推測すると、『さらば宇宙戦艦ヤマト』の前宣伝を兼ねてこの年の4月あたりから始まったのではないかと思うのだが。 プロデューサー自ら番組のパーソナリティーを務めている以上、かなり貴重な情報も公開されていたのではないかと思うが、何せ放送が不定期になってしまうため、あまり印象には残っていない。 『さらば』用の新録音曲「大いなる愛」を初めて聴いたのが、多分この番組だったことぐらいだろう。 ただ野球シーズンが終わると状況は一転し、きちんとしたレギュラー番組としての体裁を施し始める。 ファンに向けての情報発信も充実し、「ディスコ・ヤマト」の初お披露目もこの番組のはず。 しかもこの番組で紹介された「宇宙戦艦ヤマトメイン・テーマ」は後日差し替えられ、実際にLPに収録されたのは別アレンジのもの。当時の録音テープを残している人は、貴重な音源を所持していることになる。 この番組は、結局翌年79年の春まで続いた。 年明け早々、つまりまだTVシリーズ『宇宙戦艦ヤマト2』が折り返しに差し掛かった時点、多くの視聴者が『さらば』と『ヤマト2』が違う結末を迎えることを知らなかった時に、既にテレ・フューチャーとして3作目(『新たなる旅立ち』)を製作することを告知していたり、番組終了直前には秋から新番組『宇宙空母ブルーノア』(番組中では『宇宙要塞ブルーノア』と称していたが、仮題として付けられていたものの一つか、それとも言い間違いなのかも知れない)を手掛けることも明らかにしている。 (e) |