『宇宙戦艦ヤマト』とラジオの思い出<第7回>
更にこの年の「オールナイトニッポン」での『ヤマト』特番は続く。

7月13日深夜には「ラジオエッセイ 西崎義展と宇宙戦艦ヤマトの友たち」と題する2時間の番組が放送された。
西崎義展がパーソナリティーを務め、スタジオにファンを入れた公開放送で、ゲストに宮川泰、ささきいさお、富山敬、麻上洋子、伊武雅刀、青野武を迎えて名場面を生で再現したり、更に生バンドの演奏(「ディスコヤマト」に近いアレンジ)や、宮川泰のピアノでささきいさおが生歌を披露(但し歌ったのは『ヤマト』ではなく、ザ・ピーナッツの大ヒット曲「ウナセラディ東京」)するといった内容。
番組最後には元フォーリーブスの青山孝(青山孝史)も登場し、西崎が音楽プロデューサーとして参加した映画『わが青春のイレブン』の主題歌「季節の中の魚たち」を披露している。

この放送翌日には『宇宙戦艦ヤマト』と『さらば宇宙戦艦ヤマト』の2本に、『海のトリトン』も加えた<宇宙戦艦ヤマトフェスティバル>公開を控えており、その宣伝を兼ねた特番だったと思うが、何故か番組中では明確な宣伝は行われていない。
なおDVDのライナーノーツには、この日に『宇宙戦艦ヤマト/新たなる旅立ち』の生ドラマが放送されたとあるが、これも誤りである。

ちなみにこの時期の金曜2部(3時から5時)のパーソナリティーは神谷明(79年4月から80年3月までを担当)。ということでこの日も結果的には4時間ラジオに釘付けであった。

「オールナイトニッポン」で『新たなる旅立ち』の特番を放送したのはTV放送前日の7月30日深夜で、1時から5時までの放送。
メインパーソナリティーは西崎義展。ささきいさおと古谷徹、古川登志夫がゲスト出演している(3人とも3時で退場)。
今回も生ドラマではなく、これもサウンドトラックを再構成してそのまま放送し、適宜西崎が補足・解説を加えるという形で、自動惑星ゴルバに突っ込んだデスラー艦を波動砲で撃つ決意を固めた古代がカウントダウンをしていると、「止めて!」とスターシャが割って入るまでをオンエアした。

番組中ではスターシャのキャスト変更の理由(スターシャ役の平井道子が、アフレコ時に風邪で体調を崩していた)や、お正月映画として『新たなる旅立ち』を公開する構想のあることも語られたが、これは実現しなかった。 また今回の『新たなる旅立ち』は当初21日に放送予定だったものが31日に延期されたが、フィルムの完成はラジオ番組オンエアの直前、つまりTV放送前日のお昼過ぎであり、ギリギリのスケジュールだったことも明かされ、西崎は一睡もせずに4時間番組のパーソナリティーを務めていたとのことである。 (e)