『宇宙戦艦ヤマト』とラジオの思い出<第3回> |
『宇宙戦艦ヤマト』とラジオの関わりを語る際に欠かせない番組は、文化放送の『ペパーミント・ストリート青春大通り』。 谷村新司や武田鉄矢と並んでささきいさおが水曜日のパーソナリティーを務め、番組内で『ヤマト』を含めたアニメーションの情報も提供していたのである。 ささきいさおがパーソナリティーを担当していたのは、1978年4月から80年の3月までの2年間。 当初は夜の6時半から8時までの時間帯だったが、半年後には8時半まで延長され、更にゲスト出演で好評だったのか、麻上洋子が途中からアシスタントとして参加するようになる。 但し2年目に入ってからはアニメ番組としての比重は小さくなり、番組終了の頃にはほぼ皆無になってしまったのは残念だった。 78年はプロデューサーの西崎義展も何度か出演。 イメージソングである「星に想うスターシャ」、『さらば宇宙戦艦ヤマト』用の新曲「テレサよ永遠に」と「好敵手」の初披露もこの番組ではなかったか。 更に『さらば』用の新録音曲、「白色彗星」や「アンドロメダ」等もこの番組で紹介されていた。 有名なのは、5月31日に放送されたラジオドラマ版の『さらば宇宙戦艦ヤマト』だと思う。 白色彗星接近からヤマトの発進、ゴーランド艦隊との戦い、それにデスラーの再登場までを約30分でまとめた内容で、続編のストーリーがまとまった形で紹介されたのはこれが最初だろう。 その直前、5月26日には本格的なアニメ情報誌『アニメージュ』が創刊されているが(DVDのライナーノーツには6月10日創刊とあるが、これは間違い)、そちらにはもっと断片的な情報しか載っていない。 正式キャスト未決定ということで、土方艦長をささきいさお、司令長官と斉藤(の名前は劇中には出てこないが)の二役を田中信夫が演じた他は、古代、島、雪、真田、佐渡、加藤、アナライザー、デスラーらはオリジナル・キャスト。 ナレーションは広川太一郎で、テレサだけはこの時点で既に決まっていたのか上田みゆきが演じた。 ちなみにドラマはかなりの時間を掛けて収録したものだったようだが、番組自体は生放送で、ゲストとして西崎義展が出演。番組中で「斉藤は貴方に決まったよ」とささきいさお本人に告げる場面も。 (e) |