『宇宙戦艦ヤマト』とラジオの思い出<第14回>
「オールナイトニッポン」での最後の『宇宙戦艦ヤマト』関連番組、それは1983年1月15日深夜に放送された。
正式なタイトルは「ドキュメンタリー宇宙戦艦ヤマト」で、お馴染み西崎義展が4時間のゲストパーソナリティーを務め、ささきいさお、富山敬、麻上洋子、そして電話のみだが八神純子がゲスト出演。
『ヤマト』10年の歩みを振り返りつつ、新作である『完結編』を紹介していこうという趣向である。

『ヤマトよ永遠に』の4時間生ドラマ時と同様、公開約2ヶ月前の時点で新キャラクターのキャストは決定し、ドラマ中には新しいBGMも盛り込まれ、新曲の「宇宙戦艦ヤマト’83」と「二つの愛」、それにもしかすると「ラブ・シュープリーム/至上の愛」もこの番組が初お披露目だったかも知れない。

ナレーションは羽佐間道夫が務め、体調を崩した仲村秀生に代わり、ささきいさおが島大介を演じること、そして新キャラクターの大神官大総統ルガールに石田太郎、ルガールII世将軍を津嘉山正種、クイーン・オブ・アクエリアスを潘恵子、それとこれは新キャラクターではないが島次郎役で間島里美が出演することも発表されている。

但しクイーン・オブ・アクエリアスはドラマ部分には登場せず、番組後半で潘恵子のオーディション・テープが流されただけだった。プロデューサーのコメントは”決定事項”というニュアンスだったが、本編ではクイーン・オブ・アクエリアスは田島令子、島次郎は坂本千夏に変更されている。

ドラマ部分は冒頭の銀河の衝突から、アクエリアスの発見、ディンギル帝国の出現、傷つきながらのヤマトの帰還、そしてヤマト再発進と沖田艦長の復活までの紹介。
「みんな沖田艦長がどうやって戻られたのか知りたくて、ウズウズしておるだろう。実はな・・・。」
という佐渡の台詞で、ドラマは唐突に終了する。
沖田艦長復活のからくりは、公開まで伏せるという方針だったようだ。 
そしてドラマ部分は生のような体裁で放送されてはいたものの、おそらく録音だろう。 (e)