「冬月」

東の空に陽が昇り

黒い大地が冷える頃

西の空にはぽっかりと白い月


太陽に何もかも照らし出され

嘘をつけなくなった月は

身も心もさらけ出されて寒そうに


夕闇の暖かいヴェールがない

まるで処女のような凍えた裸体


白く光るクレーターが

雪に覆われた大地と重なり

月は白日のもとに置き忘れられた


今夜もあの月に会いたい

2006.02.10 
text by:久保田r 


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